圧縮型が冷媒をコンプレッサで圧縮して循環させるのに対し、吸収型は冷媒を吸収した吸収液を熱源で加熱して冷媒を分離循環させる方式です。

大まかに8の字型に二つの回路があり、上の方には水素ガス、下の方にはアンモニア水溶液が主体となります。
- 発生器で加熱されたアンモニア水溶液は、水よりも沸点が低いためアンモニアは溶液からガス化し泡状となり、混合ガスは2重管の内管を分離器へ上昇していきます。
- 分離器で混合ガスは自然冷却によって分離され、水蒸気は水になって2重管の外管から下の回路の吸収器に戻され、アンモニアはガスのままで上の回路の凝集器に向かいます。
- 凝集器での放熱で高温のアンモニアガスが冷却され、再び凝縮されて液体アンモニアとなり冷蔵庫内の蒸発器に向かいます。
- 蒸発器に入った液体のアンモニアは、蒸発器を通って上昇してきた水素ガスと反応して気化して再びガスに変化する際に周囲から熱を奪い、冷蔵庫内を冷却します。
- 蒸発器でガス化したアンモニアは吸収器内で分離器から流れてくる水に吸収され、下の回路を流れて再び発生器へ送り込まれて最初のサイクルに戻ります。
水素ガスは水に溶けずに上の回路を循環し、アンモニアは連続的に気化されるサイクルをループすることで、冷却効果が生成されます。

原理を知っておけば、冷蔵庫裏の配管構造が理解できて、何故冷えないかの原因と対策を探ることができます。