可撤・固定ブラックタンクへの貯留式以外のトイレの選択肢を探してみましょう。
●燃焼式トイレ
日本でも山岳環境で導入されている燃焼式トイレは、ノルウェーのCinderella社がモーターホーム・キャラバン用を出しています。

住居用に比べて排気ダクトが高い位置に取れない車用だと、低い位置から排気されるでしょうから、二次燃焼がかからない初期燃焼時の臭いがどうなるのか気になります。

その燃焼も、その都度かまとめてするかで時間(最大3時間+冷却1時間)とガス消費も変わり、LPガスの車での利用が制限される日本では現実的ではなく、もともと北欧のインフラの無いレジャーハウスやコテージ用なので、エコって訳でもなく日本ではあえて車で使うものでは無いようです。
これは、北欧のワイルドキャンプならではの発想から生まれた製品でしょうか。
●バイオトイレ
これも、山岳トイレでよく知られた方法。過去に富士山で行われた複数の公衆簡易トイレの実証実験で、オガ屑チップを用いたバイオトイレが 1台で45日間8,000人以上の実績と「臭いが無くて快適」という評価を得て、山岳環境ではバイオ式による環境配慮・自己完結型のトイレが多く導入されているようです。

ポータブルでバイオとなると、水分を吸えるだけの大量のチップは使えません。
あのアンモニア臭は、大の嫌気性菌が小の尿素を嫌気分解することで発生するので、大と小を別々に集める方法がポータブル型には用いられます。

上が大、下が小の入り口(出し口か)

上のポリタンクに小を回収、下の撹拌機の付いた部分で大をバイオ処理します。

海外ではバイオトイレを実際に車載する人々がいるようですが、日本ではタンク貯留式以外の方法としてラップポンという優れた自動密閉型トイレの選択肢があるので、よっぽどエコ志向が強くないとこういったものは手が出せないですね(というか、何故車載までしようとするのかワカラナイ)。
貯留式は下水、ラッピング式は可燃ゴミとして最終処理はインフラに依存しますが、燃焼式とバイオ式はその場で完結します。
処理した後は肥料にもなるので(尿も薄めて肥料?)、山小屋等では有用なシステムですね。