大容量の固定ブラックタンクとマリン電動トイレ(マセレータートイレ)を使う方法には新しいシステムも出てきています。
●iNDUSスマートサニテーションシステム

Thetford社のiNDUSは、キャンピングカーに統合されたサニタリーシステムで、専用のグレー・ブラックタンクと添加剤の自動投入モジュールを用いてワンストップで処理するシステムです。
グレータンク内の生活廃水は、添加剤とフィルター処理でトイレの洗浄水として利用する中水に再利用され、ブラックタンクの容量増加と相まって平均7日間オフグリッドが可能になります。

専用のトイレは、マリン電動トイレのようなマセレーター(粉砕機)付きで、200mlもしくは500mlの青い薬液処理された中水で流すため、ブラックタンクを直下に設置する必要は無く、カセットトイレに比べて設置の自由度があります。

グレーとブラックタンク内の廃水は、自動投与される3つの添加剤の機能の最適化と、沈殿を防ぎ排出を確実にするために、1日4回循環されます。

排出には専用装置を用い、ブラックタンク廃水を排出した後に、グレータンクの生活廃水をブラックタンクに移して洗浄排水する作業を自動的にワンストップで行います。
ポンプによる排水なので、排水ポイントがある程度高い位置にあっても可能のようです。

薬液で処理されているとはいえ、ブラックタンクの廃水を含むものを上画像の様な欧州のRV用排水マスに流して良いのか思いましたが、Thetfordはキャンプ場ネットワークでこのシステムの使用についてコンセンサスを取っており、排水ポイントが下水道に入る場所なら利用することができるようです。

システム専用のアプリを用いて、添加剤と3つのタンクのレベルを追跡し、ヨーロッパ中のキャンピングカーの立ち寄り場所を一覧表示するアプリ「Campercontact」の情報からグレー・ブラック両方を排出できる場所を特定するようです。
完全な組込みシステムなので、現在はBürstnerのハイエンドモデルのEleganceに標準装備されています。

このモデルではブラックタンク(ホールディングタンク)は50Lのようです。また、半分ほどの容量の可撤できるタンクを追加するOPもあるようで、今後このシステムがよりコンパクトになっていくことを期待しましょう。

現状では、このシステムを既存のキャンピングカーに後付けできる可能性は低いですが、 今後このシステムを組み込んだモデルが日本でも購入できるようになるでしょう。
「大」も躊躇なく出来て、後始末も廃水を見ずにシステマチックにできる魅力的なシステムです。