ボートとキャンピングカーの近似点・トイレ

モータークルーザーとキャンピングカーにはその装備の面で近似している点が多く、マリン用とRV用で使う機材がお互い流用できるのもそれを裏付けています

自分自身、過去に31と34フィートのクルーザーの所有経歴がありますので、記憶を総動員して記載してみます。

・トイレ

キャンピングカーの多くは、お馴染みのカセットトイレを使用します。

一応水は出ますが、水流で流し出す訳ではないので「洋式ぼっとんトイレ」ですよね。
汚物は便器直下の20リットル程の可撤性カセットタンクに貯留されて、廃棄の際にはそれを取り出して内容物を汚水桝等に流すのは、ご存じの通り。

ボートの場合は、マリン電動トイレと呼ばれる水洗式です。

古典的な電動マリントイレです。うちもこれ使ってました。

外観は家庭用トイレに近似していますが、水流のサイフォン作用で排出するのでなくマセレーター(粉砕機)で砕いて水で洗い流す、いわばキッチンディスペンサーの様なものが主流です。

マセレーターが内蔵されたスタイリッシュなものも

汚物は小さいボートなら海水洗浄でそのまま海洋へ直接排出ですが、最近の大型クルーザーであれば淡水洗浄でマセレーターを使わずに、真空を発生させて1次タンクに吸引した後(バキュフラッシュ)、ホールディングタンクに貯留しておき、陸から離れた場所を巡航中に電動ポンプを使って排出します。
※バキュフラッシュは、最近の列車のトイレを想像してください。一番強力なのは気圧差を使う航空機のトイレ。

うちのもホールディングタンクでしたが、マセレーターでした。

カセットトイレよりは使い易いのですが、自分の場合は船を使うのは日帰りで夏が主体だったので、「小」は海に浸かりながらできますし、船が横づけできる海上食堂で昼食を取ることも多かったので、船内トイレはほとんど使ったことがありませんでした

キャンピングカーでも、米国や欧州の大型モーターホームにはこのマリン電動トイレと同じものが装備され、汚物は水に流されて車体に固定された100リットル程のホールディングタンク(ブラックタンク)に貯留されます。

廃棄はセワホースを車体排出口に接続して、ブラックタンク内の汚物を排出した後にベントを切り替えてグレータンク内の生活排水を流すので、出先ではダンプステーションが必要になります。

例えば、Niesmann+Bischoffの最新モデルismoveの699cmモデルでも、120Lタンクとマセレータートイレが1000€でオプション設定されています。
さらに、最近の米国大型モーターホームではバキュフラッシュを導入しているようですので、「大」も快適なんでしょうね。