ハイマーのシェルは、断熱材ポリウレタンをサンドイッチしたパネルで構成されます。
屋根と壁は両面アルミの、木材を使わない100%ウッドフリー構造で、厚み34ミリのパネルは断熱性と耐久性等に優れます。

構造がウッドフリーであることは特異的で、

他のメーカーでは木材を構造体に使うことは普通に行われています。
床は外面GFRP・内面床材で断熱材をサンドイッチした41ミリの厚みのあるパネルで、跳ね石や雪道の塩カルによる損傷や腐食から車両を保護し、経年劣化によるダメージを抑えます。自然換気口のフードを外すと、屋根パネル構造を窺うことができます。
室内側はアルミ板に内装材が一体になっていて、天井・壁ともに内装材の継ぎ目がありません。
屋根と壁が両面アルミということで、FRPに比べて熱の伝導性で断熱的には不利なのではと思いましたが、そこはポリウレタンフォームがしっかりと遮断しています。
夏の炎天下で、室内側を触るとほんのり暖かさを感じますが、これは室内熱が内面のアルミを温めている為で、エアコンをかけて室内温度が下がると感じなくなることから、外側の熱が伝導していないことが理解できます。
また、考えも及びませんでしたが、このアルミコンポジットの外壁には実は避雷装置としての機能も備わっているとのこと。

これには、Carthago(カルタゴ)というドイツのメーカーが行った落雷テストがあります。
Tested lightning protection
Aluminium on the roof and the inner walls provides similar protection to a Faraday cage. Additional lightning conductors in the chassis significantly increase this protection effect. The lightning protection test has proven: a Carthago main cabin provides verified protection against lightning strikes! (carthago.com)

落雷テスト車両のカルタゴの外壁はFRPですが、屋根・壁の内面をアルミで覆ってファラデーゲージを構成し、さらにシャシーと接続することで、上図の様に受けた落雷をタイヤの側面放電で地面に流しています。
コンバーチブルを除く一般的な自家用車は、基本的に大きな金属製の箱の中にいて、ファラデーケージのために保護されていますが、アルミコンポジットで構成された車体も同じくファラデーゲージとなり、実験でも雷の電荷は車両のシャシーに伝導されて車内の生命に影響を及ぼすことなく地面に流れます。
落雷を天窓に落とした実験でも、拡散して電気の流れやすいアルミの方へ流れるために、車内の生命に及ぼす影響は無く、キャンピングカーはスチールまたはアルミニウムで構築されていれば自家用車と同じく安全で、またFRPの外壁でも金属のフレームがシャシーに接続されていれば安全な様です。
このようにアルミフレームを備えた車両が落雷が発生した場合に、自家用車と同様なファラデーゲージとして動作することを考えると、ハイマーにはすでに避雷装置が組み込まれていると考えられます。